ベリタスイングリッシュのゴールは、「ぺらぺらと英語を流暢に話す」ことではありません。
ベリタスのゴールは、「自分の意見を・論理的に・堂々と・シンプルな表現で発信する」ことです。

外国語を学ぶ際、上級者になればなるほど、外国語におけるコミュニケーションの流暢さを高めていくことが、いかに非現実的であり、かつ、必ずしも重要性が高くはない、ということを痛感します。そのため、上記のゴールに共感されるベリタスの受講者の方たちには、海外経験や留学経験などを有する英語学習の上級者が多いのです。

ところで、上記のベリタスのゴールのなかで、特に、「論理的に」「シンプルな表現で」という2つのポイントは、何を意味しているのかと、受講検討者の方から質問を受けることがあります。
そのため、本ブログでは、この2点について、書きたいと思います。

ベリタスでは、上記のゴールを目指すうえで、最も効果的かつ重要なプラクティスとして、ロジカルライティングに徹底的に取り組んでいきます。様々なテーマについて、自分の結論(=意見)を明確にし、結論を支えるためのロジック(論理)を意識して、できるだけシンプルな語彙・言い回しを使って、表現する訓練をするのです。

ベリタスのネイティブコーチは、受講者の方たちが書き上げたロジカルライティングについて、3つの視点からフィードバックを行います。それは、1)文法的に正しいかどうか、2)表現がネイティブにとって自然かどうか、3)ロジック(論理)が通っているか。なかでも、ベリタスのコーチが何より重視しているのは、3)のロジックが通っているかどうかです。それは、3)の大切さを見落としがちだからです。

あるメッセージを伝える際に、その伝え方が、論理的かどうか / ロジックが通っているかどうか、という点は、第三者から客観的な指摘を受けるまでは、なかなか掴みにくいものです。
しかし、「論理的に自分の意見を書く」という訓練を中学・高校・大学と徹底的に積み上げてきている欧米ビジネスパーソンにとっては、ロジカルライティングという視点が不足する日本国内の教育を受けてきた、私たち日本人ビジネスパーソンの書く文章において、論理のギャップが生み出す曖昧さに気が付くのは、一瞬のことです。そのため、グローバルな場で、キャリアを目指す私たちにとっては、ロジカルライティングの訓練は非常に重要と言えるでしょう。


良く目にする論理のギャップを、以下に、例文を挙げてみましょう。


良い例)
結論: I like my teacher,
理由: because he is kind.

「私の先生は親切 → 私は彼が好き」
と論理の矢印(→)が通っていて、違和感がありません。


悪い例)
結論: I like my teacher,
理由: because he has a lot of knowledge.

「私の先生は知識が豊富 →(?) 私は彼が好き」
論理の矢印(→)に飛び(ギャップ)を感じます。


書き直しの例)
結論: I like my teacher,
理由: because I can learn a lot from him.
「私の先生からは多くを学べる→私は彼が好き」


ここで、何が論理面で弱いかといえば、
「知識が豊富」という点は、先生を好きになる理由という点で考えると、直接の理由ではない、ということです。
「知識が豊富」だから、生徒である自分にとって「学ぶことが多い」ことが、先生を好きになる直接の理由です。一方、上記の悪い例のままでは、論理が弱く、伝えるメッセージに曖昧さが残り、聞き手の頭のなかには、はてなマーク(?)が浮かんでしまいます。

書き直しの例では、以下のように結論と根拠を2つのパーツ(① I like my teacher、② I can learn a lot from him)で表現できるのに対して、悪い例では、言葉を補う必要がうまれ、3つのパーツ(① I like my teacher、② He has a lot of knowledge、③ I can learn a lot from him)で表現することになるでしょう。

あるいは、コミュニケーションの相手に、頭のなかで、論理のギャップを埋めてもらわなければなりません。つまり、こちらのメッセージの曖昧さを理解するための追加プロセスを相手に頼ってしまうことになります。


このあたりの論理のギャップ(飛び)は、単純化されたテーマについて議論をする際には、多少の回り道だけで済みます。
しかし、これが、少し複雑なテーマを議論することになると、論理のギャップ(飛び)を埋める際に必要なパーツが、3つ、4つ、5つと増えていきます。
そして、2つのパーツで述べることのできる内容を伝えるために、その3倍、4倍の余分なパーツを必要とすることになっていくのです。

その分、伝えるべき内容を表現するために必要となる英語の作文量、語彙量は、3倍、4倍と増えていきます。そもそも、使いこなせる語彙の少ないノンネィティブスピーカーが、より多くの作文と語彙を必要とするというのでは、困難が増すばかりです。さらには、会話の場合は、発音に不明瞭さの残るノンネィティブスピーカーが、より多くの英文をもごもごと述べるのですから、一層伝わりにくくなるでしょう。

だからこそ、ノンネィティブスピーカーには、ネイティブスピーカーよりも、高いロジカルコミュニケーション力が必要になるのです。
つまり、私たち日本人が英語を話す際は、日本語コミュニケーション時よりも、論理を明確にする意識が必要です。


ベリタスのクラスの中で、良く目にするロジックのギャップの例として、別のケースを以下に挙げてみます。

悪い例:
結論)Japan should increse its consumption tax rate,
理由)because many other countries have much higher tax rates than that of Japan.

「他の国の多くは日本よりもかなり高い消費税を課している →(?)日本も消費税率を上げるべき」

上記の悪い例では、論理(ロジック)が通るかどうかは、「他国の政策が良い」という、前提条件が成立することが必要です。
そのため、このような意見を述べると、議論相手を務めるベリタスのネイティブコーチの頭には、はてなマーク(??)が浮かびます。

そして、次に、コーチの口から出るのは、以下のような追加質問が発せられてしまうのです。
So, should Japan increase its tax rate just because other counties have higher rates??
(それでは、他国の税率が高いという理由だけで、日本も税率を上げた方がよいという結論にいたるのですか??) 


ここでも、自分の意見を述べるまえに、論理のギャップを埋める必要があります。

書き直しの例:
結論)Japan should increse its consumption tax rate,
理由)because Japanese consumption tax rate is still much lower than the global standard.

「日本の消費税率は依然としてグローバルスタンダードよりもかなり低い → 日本も消費税率を上げるべき」

書き直しの例では、
global standardという表現を使うことで、「他国の例は世界標準値として一定その良さを世間一般で認められている」という前提条件を示しています。
そのため、余分なパーツを付け加える必要なく、メッセージを伝えることができます。

さらに、ここでは、論理のギャップを埋めるだけでなく、global standardという、だれもが知っているシンプルな表現を使うことで、わかりやすく伝えています。


「論理的に」「シンプルに」という2つの要素は、ノンネィティブスピーカーとしてコミュニケーションをする上で、とても大切なことと言えるのではないでしょうか。